持ち込みの話し 2

持ち込みが組織的に始まったのは雑誌「ゼクシー」創刊後しばらくしてからでした。婚礼にかかわりの深い商品を扱う業者が次々とこの雑誌に広告展開が始まり、大きなウェーブになりました。新郎新婦も流行の様に色々な商品を持ち込み、式場との攻防が始まりましが、このブームも3,4年で収束し、トラブルやリスクを経験した多くの業者が淘汰され、新郎新婦も慎重になった事が背景にあります。勿論式場側からの規制が強まった事も影響しました。そんな中これから紹介する「演出商品」は、いまだに持ち込まれ続ける商品です。何故ならブームの頃から「持ち込み」と言わなくて良かったからです。そう「友人に頼む」と言えばよいからです。実際司会者をプロに頼む文化は昭和の後半からで、それ以前は友人が司会を行う事が一般的でした。余談ですがこの頃には「プロの媒酌人」等がいて、婚礼当日だけ媒酌人を務める驚くべき仕事もありました。さて今回はその演出商品の持ち込みについてのお話です。

目次
1,司会者の持ち込み
2,スナップ写真撮影の持ち込み
3,動画撮影と放映(編集)商品の持ち込み
4,持ち込み禁止商品
5,まとめ

【司会者の持ち込み】

ハードルが低い持込商品の代表です。司会者は事前に打合せが必要ですので、当日に来ないドタキャンも基本的にはありえないため、比較的容易に持込が出来ます。品質に関しては、多くの司会者が元はどこかの事務所に所属して経験を重ね、独立するケースが多いので、品質もそれほど心配しなくて良いかもしれません。

挙式イメージ フリー写真 に対する画像結果

【メリット】

1,廉価な価格   最大のメリットはやはり価格でしょう。持ち込み司会者の多くは「個人事業主」がほとんどで、会社組織に加入していない人達が多くおります。
その多くはいずれかの組織の所属して実績を積んだ上で独立する司会者が大半な為、技術に関しては遜色ないと言えましょう。とは言え広告展開を行う際に「組織名」は必要ですので数名から十数名がグループ組織を作り営業展開を行うか、代表格の人間が司会者を集め、登録した司会者をマネジメントするプロダクションの様な組織が多いです。
このような背景で「管理育成」を必要としないグループの為、わずかなグループ維持費だけ徴収し、残りがギャラになるので廉価で商品提供ができる訳です。無印良品のアウトレットですかね。

2,打合せに規制なし   また組織に加わっていない分ルールに捕らわれない為、「打合せ回数」「電話連絡」「メール」「ズーム」などで、その時間帯も常識的な範囲を越え何度でも打合せに応じてくれる事もメリットの1つですね。
式場専属の司会者は、過去に発生した苦情に式場が対処し、接客マニュアルを作っているため、
「20時以降の電話禁止、ショートメール禁止、」
「打合せ日はコーディネーターが決める」
「規定以外の対面打ち合わせ禁止」
「メールはコーディネータに指示に従う」
等制約があるケースが多く、司会者の意思とは別に自由度に制限がかかっています。全員が平均(統一規格)でなければならないわけで、個人的サービスが出来にくい訳です。
この辺が持ち込み業者の様な「フリーランサー」の方が自由で有利ですね。

【デメリット】

婚礼司会者 フリー写真 に対する画像結果

1,友人ならお席を   いまだに過去の「持ち込み対策」を行っている式場があります。それは「司会者の席を設ける」事を求められるケースです。つまり友人がゲストとして列席し司会をするという悪しき前例が生んだルールですが、実質的には「持込司会者の費用+料理代」で専属司会者との価格差を無くす事を考だした防止策です。この方法を採用している式場も少なくないようです。

2,式場のルールを知らない   また会場としては新郎新婦がお連れした「大切なゲスト」として持込司会者を迎える訳ですから、決して粗略に扱う事もなく、お二人のパーティがそつなく終えるよう尽力しますが、やはり「迷惑」なものです。式場専属司会者と式場は常に連携しながらパーティスタイルを構築してきた経緯がある為、「精通」と「信頼」は目に見えないブランドかと思います。持込司会者はブログで特定式場の記事を取り上げ「精通しています」と強調しますが、全体数から見ればわずかな実績だと思われます。

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3,バックボーンを持たない  忘れてならない重要な点として「バックボーンが無い」ことです。司会者と言えども人間です。「体調不良」で司会者が当日チェンジするケースは少なからずあります。その多くは「体調不良」で、今式場が一番嫌う疾病は「コロナ」ですが、それと並列する疾病が「ノロウィルス」による食中毒。専属司会者は所属会社か式場に当日の体調報告を義務化している式場が多く、下痢、嘔吐、発熱のいずれかでも該当すると入場禁止処置がとられます。その際「組織」が事の対応に当たりますが、持込の司会者は個人事業主の為その対応力が無く、グループ組織は施行のある土日に「待機司会者」はおろか、連絡を受け取るスタッフもいないケースも多く、対応力にかけます。結局無理をしてでも仕事を完結しますが、これはお呼びしたゲストに及ぶ危険を秘めています。まさかと思われるかもしれませんが、体調不良を抱えたままで現場に行った経験者は、ほぼ全員と言っても言い過ぎではないでしょう。


スナップカメラマンの持ち込み

婚礼 カメラマン フリー写真 に対する画像結果

スナップカメラマンの持ち込みもハードルの低い商品持込となっているようです。やはりバブル期以前はフィルムを使った写真撮影の時代で、スナップと言えども写真室のスタッフが一定サイズのフィルム(ブローニーサイズ)を使って写真を撮り、アルバムで提供する写真しか手にすることが出来ず、ネガフィルムを入手する等ありえませんでした。ブランディングとか特別感を出す事で、「焼き増し」と言う追加売り上げを挙げていた時代の悪しき習慣ですかね。

そんな中、35mmフィルムを使って200カット~400カットの写真を撮り、「アルバム」「ネガ」「プリント写真」、全部納品する型破りの持ち込む業者が現れ、現在のスナップ写真へとつながってきました。スナップはある意味持込業者の作り上げた「文化」ともいえましょう。また1件の婚礼に2名3名と複数のカメラマンを投入したのも持込業者でした。このゲリラ的な発想で写真室のブランディングを打破してゆきました。現在はすべて「デジタル撮影」「デジタルアルバム」に変わり、式場でもスナップ商品は沢山用意されていますので、ニーズの多くはカバーできているでしょう。スナップの場合、婚礼オンリーのカメラマンは比較的少なく、他にクライアントを持つフリーランサーが多いのが特徴で、その為写真のクォリティの差はほとんどないでしょう。


【メリット】

1,価格   やはり価格が最大のメリットかもしれません。

婚礼 カメラマン フリー写真 に対する画像結果

2,作品の指名も   業者によっては作品の閲覧に伴ってカメラマンを指名するサービスを行っているケースもあり、しまいしたカメラマンと直接要望を伝える事もできるようです。式場専属カメラマンにも要望を伝える事は出来ますが、その多くはコーディネーター軽油がほとんどで、それを受け現場で確認するケースが多い様です。

【デメリット】

1,撮影規制   最大のデメリットは挙式場での制約が厳しい点でしょう。多くの式場が「自席からの撮影」原則として、式の尊厳を乱さないように規制します。これはゲストに対する式場のルールで、特別持ち込みカメラマン対策ではありません。教会式では新郎新婦は司祭に向かっている時間が長い為、専属カメラマンは聖壇上に上がり撮影していますので、完成度の差は大きいでしょう。ただ人前式の場合、二人がゲストと向き合いますので、このデメリットも多少は改善されますが、同一ポジションからの撮影は変化に乏しい事も次事実です。神前式は規制が多く「祭壇撮影禁止」「祝詞の撮影禁止」等部分的な撮影規制が有ったり、特定ポジションからの撮影を指定する等専属カメラマンでも自由に撮影できない式場が多くあります。神社に於いてはなおさらです。また質の悪い業者も多く、規制に従わず式場を移動しながら撮影を行う業者や、式中に注意を受けない事を良い事に聖壇に上がる業者もおります。ルール違反に厳しく対応する式場もあり、この様な違反行為に対して「式以降の撮影を断られる」ケースもあります。ご注意ください。

婚礼 カメラマン フリー写真 に対する画像結果

式場は持込に対する「嫌がらせ」を行う事などはありえませんし、通常に行われる撮影スポットでの撮影を促し、許せる範囲での撮影時間も確保してくれますのでご懸念の無き様お願いします。

2,ドタキャン   もちろん悪意によるドタキャンはありませんが「勘違い」が原因でカメラマンの「遅刻」「来場せず」等のトラブルもなくならないものです。

原因1、申込書の「記載ミス」   「式開始時間」「披露宴開始時間」の記載を求める欄に、「披露宴のスタート時間」と「終宴時間」を記載する間違いが圧倒的に多いですね。多くの場合式スタートの時間から1時間後がパーティスタートの時間ですので、わかりそうなものなのですが、「挙式」「親族での会食」「パーティ」等の変則もある為、時間通りにスタッフが到着した時には「挙式がスタートした後」等と言うケースが稀にですが発生しているようです。 

原因2、チェック機能が無い   業者の「手配ミス」、仕事を受けたカメラマンの「うっかりミス」等のヒューマンエラーは時として起きる物です。請負業者の「受注確認チェック」や「スタッフの入館チャック」などの「チェック機能」を持っていない事も、スタッフが会場に来ないトラブルの原因になります。スタッフ主導での「入館連絡」を業者に入れるシステム採用は有るようですが、あくまでも「受け手管理」になる為、決定的なエラー対策にはなりません。その点会場専属カメラマンが来ない場合、「入館チェック」「健康報告」等のスタッフ発信の報告に加え、式場やパーティ会場の責任者もスタッフ到着をチェックします。持ち込みに関してはゲストにカムフラージュする為、礼服やフォーマルスーツで来場しますので、これもカメラマンが居ない事に気付かず式がスタートする原因の1つです。この点が「いなければ始まらない」司会者と違うところです。複数のカメラマンが動く場合は相互チェックでトラブル回避ができますので、持ち込まれる場合は少々高めになりますが複数カメラマンプランをお勧めします。

動画撮影の持ち込み

持ち込みのブームが始まった当初は、1名のカメラマンが名が回しで撮りっぱなしの婚礼映像を廉価で納品するスタイルが主流でした。当時は磁気テープに収録したアナログ時代でしたので、式場専属業者は業務企画の機材を使って完全カット編集を行なっていましたが、持ち込み業者は民制規格の機材を使い、画質の劣化防止の為ほぼ撮影した原版を納品していました。しかし近年は動画もデジタル化が進み、編集拠点を持ち専属業者が「記録商品」から「撮って出し」と言われる直前まで行われていたシーンをリアルタイムに編集する特権的だった放映映像制作も、多くの動画撮影(記録撮影)業者も「放映動画制作」数点をパッケージ、「オープニング」「プロフィール紹介」「エンドロール」等、現地に編集スタッフも送り込み「撮って出し」映像の制作まで行います。また業者によっては「ロケーション撮影」を行い「ストーリー映像」の制作まで行いますので、式場のビデオ業者より多角的な動きと作品作りを行っています。またネットで「プロフィール映像」等の商品販売の業者も増えており、廉価で制作を請け負っているようです。

【メリット】

1,価格   やはり価格が最大のメリットかもしれません。

2,多彩な商品ラインナップ   価格と多角的な商品ラインナップが大きなメリットでしょう。カメラマン、ディタ―を「1クルー」で送り出す為、付帯利益を得る方策として複数商品をパッケージにして、さらなる廉価を設定しているようです。

【デメリット】 

1,撮影規制   放映映像の事前納品は別ですが、撮影に関してはスナップに上げたデメリットと共通です。

2,ドタキャン   ワンマンでカメラマンを頼んだ場合はスナップのデメリットと同じになります。

3,権利の抵触   映像に関しては「著作権」に対する対応も重要な課題なのですが、式場へ振るケースが多く見られ、商法上コンプライアンスに抵触するケースが多い様です。放映映像のBGMを現場で「音合わせ」する様に指示をし、権利取得を行わないなど自主商品を完結せずに会場へその責を押し付ける等、価格を抑えるために法令順守を怠るケースが見受けられます。権利に関しては「権利の問題」で詳しく解説しておりますが、法令順守は映像制作業者の責任ですので、他への転嫁をする所への委託はお勧めできませんし、企業の規模や実力を判断する一つの指針とお考え下さい。

4,編集スペースの確保   各種商品を制作する為にはベース基地が必要になります。多くの業者は会場で許可されたスペースで(非常階段等)で作業を行いますが、式場が場所の無償提供を拒む場合もあります。その際、有料の会議室の使用を進められることが有りますのでご注意ください。

5,作品の質   これは業者の優劣ではなく「撮影規制」が大きく影響を及ぼします。仮に数名挙式場に入れて変化有る映像撮影を行っても変化に乏しく「後ろ向き」満載の教会式では自由に動ける専属カメラマンとはその差は歴然です。費用対効果を良く検討ください。


絶対持ち込み禁止

【食品は絶対持ち込み禁止】

「食」に関する持込は原則すべて禁止の会場が多いです。勿論「衛生」の保持が原則で、食中毒を出しますと「屋号」が報道され、厨房の営業停止などの処罰が発生し、発覚以降の予約客のキャンセルなどの大きな影響が及ぶ問題に発展しますので、特に厳しく禁止しています。「当たり前」と思われるでしょうが「マグロの解体ショー」「餅つきのパフォーマンス」となると身近に発想されるパフォーマンスです。これらパフォーマンスに使った食材を食べる事が許されないため、禁止対象になります。また韓国の古くからの風習で、自宅で作った「お餅」と「キムチ」を婚礼で振舞う事がおもてなしとされている様で、これらの持ち込みを希望される事もありますが、概ね許可されないと思います。「手作りクッキーのプチギフト」等の持ち込みは「ラッピングする事」「当日食べない事」等のルールで持ち込めることもありますが、良く相談してください。

まとめ

  • 動機を大切に   持ち込みがトレンドだった時代は終わりました。持ち込みをするならそれなりの動機が無ければ、かえって不利益を受ける事になりますのでご注意ください。
  • 早めの持込交渉を   持ち込む動機が明確な場合、例えば「親のドレスを着たい」「友人の美容師にメイクを頼みたい」等、その動機はずーっと思い描いていた物なら、式場決定の際に交渉する事をお奨めします。ずるいようですが式場としては「新規成約」は重要案件の為、多少の譲歩を得られます。
  • 穏やかに交渉を   とは言っても制約から半年近くその式場とのお付き合いは続く訳で、多くのゲストを迎い入れるパーティを作る訳ですから、わずかな問題で気まずくならないよう穏やかな交渉をお奨めします。たまにコーディネーター「どうしてくれる?」と詰問しながら脅迫じみた交渉をして、あらぬ特典を引き出す交渉をしたり、「SNSに投稿する」とクレームを入れる人がいるようですが、「公平取引」に抵触するような交渉はお辞め頂きたいものです。また些細なミスに「返金」を求める事も、場合によっては民事罰ではなく刑事罰につながる事も有るようです。
  • 明確なルールには従う事   良く聞かれる例ですが「飲み水」を要求したとします。出されたものが水道水なら無料で、ペットボトルが出されたら有料になる。要求されたものに対する提供ですので、請求が発生したら支払う義務が発生します。しかし式場でペットボトルの請求があると苦情になる事があります。日本の「水道水」は安全ですから飲料水に対する価値観が薄いのですが、海外では飲料水が有料なのは常識ですし、外資系のホテルなどは明確な権利を主張します。それに対して日系の式場の多くは「サービス」「ホスピタリティ」の名の元に権利を「曖昧」にするケースがあります。それぞれが商法の元で成立する契約ですので、常識的な対応をお願いします。

婚礼業界は様々な時代を背景に変革を続けており、悪しきものは次々淘汰されながら成長していると考えております。持込業者も多くの経験を踏みながら現在に至っていますので、過去の事例に対する対策も行われていると想像します。従って必要以上に警戒する必要はないのかもしれません。

今日はこれまで


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